AUTUMN / WINTER 2014 — FÓMHAR / GEIMHREADH 2014
今回のコレクションはイニシュマン島にある石垣からコレクションイメージを作成しております。その石垣とは・・・
CLAÍOCHAÍ (石垣)
アイルランドの神話によると、約2500年前にアイルランドとアラン諸島へ侵入し、占領した部族のうちの一つ、Fir Boilgという部族によってアランの石の砦は建設されたとされている。
それ以来島民は、作家ティム•ロビンソンが推定するには全て直線で並べた場合には1500マイルあると思われる、迷路のように複雑なClaí −石のフェンスを構築してきた。この石垣は、アラン諸島全体に広がる自然の石灰岩を人の手で細心の注意を払って切り出したものを積んだもので、その石の形や質に応じて石垣の形や模様が異なる。
この石のフェンス、または石垣は、ショーン・キーティング、ハリー・クラーク、近年に至ってはショーン・スカリー含め、年間を通して島々を訪れた多くのアーティストたちにインスピレーションを与えてきた。私たちのAW 2014コレクションでは、この石垣を私たちの編み物へのインスピレーションとした。我々はこの石垣の工芸性へ敬意を払うかたちで、新しい独特な模様を編み出した。更に我々は、島民たちに長年気に入られていた模様や、仕事着として毎日着用されてきたセーターに安定性と強度を与えてきた模様のうち、忘れ去られていた模様を復活させた:“Beairtíní”、リトルバンドル、フローティング•モス、ブラックベリー、サンドステッチ。
石垣の構造
石垣の名前は、その形式に応じてアイルランド(ゲール語)ではいくつかの呼び名がある。巨大な砦は、Claí dúbailte (二重のフェンス)のスタイルで、約2メートル幅で構築されている。小さな庭や庭園は、一般的なClaíochaíで囲まれている。巧妙で丁寧な作りの壁がSconnsaと呼ばれている。Clai Fidín は、2枚の大きな石版の間のフェンスの下部に小さな石をたくさん配置して作られる石垣で、Leachtaという石垣は、海へ出かけた漁師たちへの目印となる大きな塚である。
Giallは大きな柱であり、2本のGiallの間には間隔があり、その間には細かな石が配置されている。動物たちの牧場から牧場への移動に合わせて2本の柱の間の細かい石を崩しては構築し直す、門の役割を果たす石垣である。